アナログレコードを愛する人々第17回 Recoya 子守翔平

2021-08-07

アナログレコードに携わっている方にインタビューする企画です。
第17回は、レコードショップを検索できるサービス「Recoya」の子守さんにインタビュー!

ー子守さんご自身の経歴を教えてください。

大学を卒業後、働き始めた時は鉄鋼業界の営業をやっていまして、20代半ばでWEB業界に入りました。
Recoyaを作り始めたタイミングはウェブデザインやホームページ制作などの仕事をしていて、現在でもサイトの企画や設計を中心に受託のお仕事はRecoyaと並行して行なっています。

ーRecoyaとはどういったサービスでしょうか?

Recoyaというサービスは、全国のレコードショップを紹介している位置情報WEBサービスです。食べログのレコード屋さん版だとイメージしやすいかもしれません。
学生時代からレコード屋さんへ行くのが大好きで、社会人になっても出張や旅行に行けば、近くにレコード屋さんがないか探すくらいでした。
旅先では、レコードショップがどこにあるかわからなかったり、レコード店の情報が載っている本や雑誌を持ち運ぶのが面倒だったりしたので、それならば自分で作ってしまおうというのがRecoyaの始まりです。
もともとは違う名前で2015年にサイトを立ち上げましたが、約4年前に友人と2人でサービスとしてちゃんとしたものに開発し直したのが今のRecoyaのサービスです。

ーRecoyaはどんな方に使われている印象でしょうか?

ユーザー層は、レコード屋さんでレコードを買っている30代〜50代くらいの年齢層が多いです。特にスマートフォンでネットで検索するのが当たり前になっている人がコアユーザーで30代〜40代といったイメージです。普段レコード屋さんで買っている層にだいたい当てはまるかと思います。面白いのが、ここ数年で20代や女性の利用も増えていることです。ニュースでも見かける”レコードブーム”を感じる変化ですね。

ユーザー数は、月間で数万人くらいの方にご利用いただいています。多くは旅行などで知らない街に行った時に使っていただいている場合が多いかなと思います。
今はコロナ禍なのでそういうシーンが少なくなっていますね。状況が変われば、みなさん旅行など活発になると思うので、より使いやすくなるよう引き続き運用・改善を続けていきたいと思っています。

ーユーザーやレコード屋さんへはどのようにアプローチしていますか?

WEB上では、Recoyaをまずは知ってもらうことが大事なので、SEOや他のサービスと連携してバナーを掲載していただくなどを行なっています。

WEB以外でいうと、ひたすらレコード屋さんへの挨拶周りですね。写真や紹介文があるところはコンタクトをとっているレコード屋さんになります。やっぱりレコード屋さんはリアルに足を運んでお店の方と会話しないと雰囲気やどういうものが置いているかわからないので、そこは大切にしています。

2020年に大好きなイラストレーターさんのRuminzさん(https://www.instagram.com/ruminz_/)にRecoyaのフライヤーを作ってもらいました。表面のレコードショップや人物など色々ネタを仕込んでいるので、是非手に取って見てもらいたいです!今後も頑張って配っていきますので、Recoyaとレコード屋さんに興味を持ってもらえると良いなと期待しています。


ーレコード屋さんからの反応はどうでしょうか?

ありがたいことに最近は、新規オープンされるお店の方からメールやSNSで掲載依頼のご連絡をいただくことが多くなりました。
もともとは個人的に始めたものなので不思議な感覚ではありますが、使っていただいている方がレコード屋さんを知るきっかけになればRecoyaをやっていて本当に良かったなと思います。

ーレコード屋さん以外にもアプローチしていますか?

当初は、”レコードショップ”を中心に登録していましたが、最近は大手のリサイクルショップでもレコードやCDも取り扱うようになっていて、どこまで掲載していこうかは悩んでいます。
面白いのは、OOO x レコードショップといった形態のお店も増えている点ですね。こういった形態のお店は全国で広がっているように感じます。

Recoyaは「レコードが売っている場所が地図上ですぐにわかる」というはじめのサービスの目的があるのですが、サービスをはじめてからの7年ぐらいでも音楽の聴き方やレコードユーザーが変わっているので、レコードという切り口だけでなく、音楽を話したり、楽しめたりする場所にもアプローチしていきたいと考えています。



ーなんでもネットで買い物をすることが多くなってきましたが、レコードを実際に店舗で買うこととネットで買うことの違いはどんなところでしょうか?

もともと私がレコードにハマったキッカケは、学生の時にレコード屋さんで知らない音楽を沢山教えてもらえたことです。
レコードが買える場所であり、知らない音楽を教えてもらえる場所でもあるという体験が面白くて、少しでも多くの人がレコード屋さんで同じような体験をしてもらえたら良いなというのがモチベーションになっています。

自分の好みを知ってもらった上で、いろいろとオススメしてもらえるっていうのが実店舗のレコード屋さんならではの面白さだと思います。ジャンルも全然違うけど、ドンピシャなものを教えてもらえたりすると興奮しますね。(笑)

一方でオンラインでそういった体験が全くできないかというと、そうでもないと思います。よく買っているところだと、独自のセンスでレコメンドをしてくれるところもありますし、サイト上で1つ1つにコメントが書かれていて情報が充実しているショップもあります。
当然実際の店舗との違いはありますがオンラインが全然ダメだということはないと思いますし、探しているレコードやCDが決まっている場合は、断然オンラインの方が探しやすいですね。

そういったオンライン化の流れもあり、Recoyaでも2021年5月にオンラインショップの横断検索サービスを立ち上げました。(https://search.recoya.net/
登録しているレコードショップのオンラインショップをまたがって検索できるというものです。まだ、テスト段階ですので、店舗数が少なかったりシンプルな機能ですが、今後も開発を進めていきます。ありがたいことに反響もいただいているので、今はオンラインで買っている人も多くなってきているなと感じます。

ー今は家にいる時間が多くレコードを聴く時間が増えていると思います。レコードがより買われているなという感覚はありますか?

ここ1〜2年で層が広がっているなという感覚はありますね。
他に出費がないからか、レコードにお金を使われる方が増えている気がします。
最近知り合った20代の方は、コロナ禍前後からレコードを買い始めたと話していました。好きなアーティストの音楽をレコードで聴いてみたいということでレコードプレイヤーなどを買い集めたみたいです。

また、レコードは聴く以外にもファッションアイコン的な存在になっていますよね。
お仕事でマンションのモデルルームに行った際に、インテリア的でレコードやレコードプレーヤーが置いてあったのにはびっくりしました。
CMでもちらっとレコードプレーヤーが映っていたり、レコード屋さんがブランドのCMや写真の撮影で使われていたりしますよね。今の流れがきっかけで、レコードショップでレコード買ったり、音楽の会話が広がったりすると最高ですね。



ーこちらの事務所には、機材が一通り揃っていますが、ご自宅でも音楽は聴いていますか?

普段はRecoyaの事務所で聴いています。建物が隣接していないなど立地的に音楽をかけやすい環境なので、定期的に知り合いとレコードを持ち寄って音楽をかけたりもしています。
その時に詳しい人にオーディオや機材の事を教えてもらっていますが、ミキサーやアンプ、カートリッジ、ケーブル、スピーカーの位置など一つ一つが影響して音が仕上がっていく感じが面白いですね。
私は教えてもらったもツギハギの知識で、わかっていないことが多いですが、少しづつオーディオも試していきたいですね。良い音の基準は聴くジャンルや好みによってそれぞれ違っていて面白いなと思います。測定の仕方や波形の見方など、オーディオに詳しい方に色々教えて欲しいですね。オーディオ沼は奥が深そうです。(笑)

最近は良い音で聴く、音楽をみんなで共有するという場所の楽しさや価値が重要になっている気がします。これまで普通だったクラブなどで浴びるように音楽を聴いたり、バーなどで自然に音楽が流れている場所で時間を過ごすというのがより大切になったり、住環境の一つとして、家のオーディオにこだわったりという流れは続くような気がしています。

ー今ってレコードが聴けるところは増えているんですかね?

そういった流れもあり、増えていると思います。以前はレコードの販売だけでしたが、今はカフェと一緒になっているお店もありますし、すごく普通の料理屋さんにDJセットが置いているのをSNSで見かけたりで、変化を感じますね。

ー誰でも気軽にレコードが聴ける場所があると良いですよね。

本当にそう思います。20代で最近レコードを買い出した方にインタビューする機会があったのですが、機材の揃ったオーディオルームをカラオケボックスのような感じで時間貸しとかで友達やひとりで使いたいっていう意見がありました。高い機材を買えなかったり、家に置くスペースがないので、そういう場所が必要なのかなと思います。そこで試してみたい機材で聴けたら面白いですよね。

レコードショップと音楽をかける場所、音楽話ができる場所、そういった場所が繋がって、さまざまな場所でそれぞれの音楽体験が広がるようにしていきたいです。



ー子守さんご自身やRecoyaさんの今後のプランや目指すところはどういったところでしょうか?

これはRecoya・私の中で変わらない部分ですが、音楽好きがより音楽を好きになること、そして新しい人も”音楽沼”に少しでもハマるキッカケになれればと思います。
今Recoyaはレコード屋さんがメインですが、レコード屋さん以外にもレコードや音楽に触れる場所は沢山あるのでそういったところに関わっていきたいと思っています。

私の場合レコード屋さんを好きになった理由が音楽を広げてくれたからですが、レコード屋さん以外でもそのような体験ができれば、きっかけは何でも良いかなと思います。漫画喫茶のレコード・CD・カセット版みたいなのがあって、それがキッカケで音楽をより好きになる人も出てくるかもしれませんし。(笑)

自分の持っている”WEBやデジタル”の知識で音楽 / レコード業界に少しでも貢献できるようこれからもRecoyaを中心に色々と企んでいきます。

取り組みの第一弾でJICOさんと一緒にキャンペーンをさせていただくことになりましたが、宣伝しても良いでしょうか?

ーはい、お願いします。

ありがとうございます。今日の取材でもお話させていただきましたが、レコード / 音楽を聴く、楽しむという部分もすごく重要だと思っていまして、Recoyaを使っていただいている音楽好きの方がどんな環境でレコードやCDを聴いているか、どれぐらいオーディオに興味があるかなどを知りたいなと常々考えていました。
音楽が好きでレコードを聴いている人がオーディオの面白さにも興味を持ってもらいたいですよね。
手頃なプレーヤーで聴くでも、もちろん楽しいですが、本格的なもので聴いた時の体験で音楽の楽しさがより広がれば良いと思います。

ということで、今回JICOさんと一緒にキャンペーンをさせてもらうことになり、”レコードカートリッジ / 針(オーディオ)”と”音楽”をつなげる第一回企画として、「わたしのレコード部屋のこだわり」インスタ投稿キャンペーンを開催します!

キャンペーンは終了しました。
JICO x Recoya共同企画
インスタ投稿キャンペーン【抽選でJICOオリジナルステッカープレゼント!】
「わたしのレコード部屋のこだわり」


あなたのレコード部屋のこだわりがわかる写真をインスタグラムで投稿してください。レコードでもプレイヤーでもスピーカーでもインテリアでもレコードに関連するものであれば、何でもOKです。あなたのレコード部屋少しだけ自慢してください!

参加方法

  • Instagramであなたの「レコードまわりのこだわり」の写真を撮影。
  • こだわりポイントをコメントいただき、ハッシュタグ「#jicoレコード部屋」をつけて投稿すれば応募完了です。

応募期間

  • 2021年8月7日〜2021年8月27日の投稿まで有効。
    キャンペーンは終了しました。

プレゼント

  • JICOオリジナルステッカーを抽選で20名様にプレゼントいたします。
  • 当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。
  • プレゼントの発送は2021年9月以降を予定しています。

投稿例



※ 投稿内容をJICO・Recoyaのサイトで掲載、紹介させていただく場合がございます。(使用時には個別にご連絡いたします。)

キャンペーンに応募する!

ということで、好評であれば、2回目・3回目とJICOさんもカートリッジのプレゼント企画も考えていただけると思いますので、一緒に盛り上げていきましょう!
また、今後のサービス改善、企画のためアンケート調査を合わせて実施中です。5分程度でできるものですので、よければご協力をお願いします。

▼レコード、オーディオに関するアンケート▼

https://forms.gle/jMsXtPzT5at5dJex7


すみません、いっぱい宣伝してしまいました。

―大丈夫です!最後にRecoya子守さんにとってのアナログレコードとは?

【プロフィール】
子守 翔平(こもり しょうへい)
1984年兵庫県生まれ。レコードショップ検索サイトRecoyaの代表&管理人。

■Recoya
https://recoya.net/

2021年5月レコード横断検索サービスを開始しました!
https://search.recoya.net

■その他SNSなど各種リンク
https://linktr.ee/recoya