「KUROGAKI 黒柿」はカンチレバーに木材を使用したレコード針です。
SHUREとJICOのカートリッジに対応し、5種類のラインナップがございます。
カンチレバーの素材に高級銘木として珍重されている黒柿を使用し、
ボーカルや楽器の音が優しく、聞き疲れしない温かみのある音が特長です。
「木製のカンチレバーをもったレコード針の音を聴いてみたくなった」
本製品は寡黙なレコード針職人・森田耕太郎のひと言から生まれました。
森田は約半世紀に亘りJICOの社員としてただひたすら「モノづくり」を続けて参りました。
そんな彼の精神、技術、実績を後世に残したいという意図で彼の「名」を冠した製品をこの度発売するに至りました。
カンチレバーとは日本語では片持ち梁(かたもちばり)と言い、水泳プールにある飛込み板のような構造の総称です。
レコード針においては、材質、サスペンション性能、形状などによって音質に変化をもたらします。
従来の素材はアルミニウムなど金属製が主流ですが、Wood Carving Cantilever黒柿は天然木を採用している為、必要サイズまで削り出した後、節や亀裂が入っていると使い物になりません。
木材の持つ特性を生かし、一つずつ慎重かつ丁寧に細心の注意を払いながら組み立てています。
クロガキとは
温暖の地よりも、山地の寒冷地に植えられています。
”しみ”(黒色の縞)は渋柿に比較的よくでるとされていますが、”しみ”がなぜ出るかはあきらかではありません。
心材に黒色の縞が生じ部分的に一面黒色になるものが偶然現れるとされています。
正倉院の木工品に見事な”黒柿両面厨子”に使われて以来、高級銘木として珍重され東宮御所の壁面にも使われています。
クロガキ選定までの道程
数十種類の木材を材木屋さんで分けてもらい、それぞれの特性を調べました。
数十種類ある自社製のダンパゴムと組み合わせながらサンプルを作成し、サンプルデータを取り異常値が出ない限り、次々とリファレンスレコードで試聴を重ねました。
試行錯誤を続ける中で、木の特性が素直に音として再現出来ているのか、音作りはこれで正しいのか等様々な問題点も浮かび上がりましたが、原点を戻って考えると「森田が聴いてみたいと思った音」がこの製品の音なのだという答えに至りました。
満を持してJICOが始める全く新しいレコード針『MORITA』の艶やかな音世界にどうぞご期待ください。
【ラインナップ】
N44 KUROGAKI 黒柿(対応カートリッジ:M44G/M44-7、J44D/J44A 7)
VN35 KUROGAKI 黒柿(対応カートリッジ:V15 TypeⅢ)
VN45 KUROGAKI 黒柿(対応カートリッジ:V15 TypeⅣ)
VN5 KUROGAKI 黒柿(対応カートリッジ:V15/V)
VN5x KUROGAKI 黒柿(対応カートリッジ:V15VxMR)
【使用上のご注意】
針先が埃などで汚れた場合には、乾いた柔らかいブラシなどを使って奥から手前側にブラシをかけてください。
決して濡らして拭き取るような湿式タイプをご使用にならないでください。カンチレバーの劣化の原因になります。
また、スクラッチプレイでのご使用はお控えください。カンチレバーが折損する可能性がございます。