アナログレコードに携わっている方にインタビューする企画です。
第21回は、横浜でレストラン/スタジオを経営し、ギタリストでもある小川榎也さんにインタビュー!
— レコードに興味を持ったのはいつ頃ですか?
私の年齢だと音楽の入り口がレコードの最後の世代だと思います。
結構早熟で一風変わった子供だったので、15、16才の頃には所謂ルーツミュージックにどっぷり。
キッカケはオーティス・レディングの一曲「I Got Dreams To Remember」初めて買った黒人音楽のレコードでした。
未だ忘れ得ぬ衝撃。
それから、バイト代はほとんどレコードに注ぎ込み、ギターを買い、今の今までずっと変わらない生活が続いています(笑)。
とはいえ、20代後半から40代にかけてあまり音楽に感動しなくなってしまった時期もありました。
時期的にはCDの全盛期と重なります。
音楽は刺激物ゆえ、年と共に薄れつつある情熱も自然だと、自身の起伏を特に気にしなくなったこともありました。
— それからどうしてまたレコードへ?
アナログレコードの再発見はお店のオープン時と重なります。
せっかくなのでターンテーブルをセットして、サウンドチェックの爆音「Led Zeppelin Ⅳ」。
一瞬にしてティーンの頃にタイムスリップ。頭が吹き飛ぶかと思いました(笑)。
その時思いましたね、音楽をダメにしたのはC Dだったと。
以来、お店ではシステムや部屋作り、盤の生産国や再発レーベルの研究まであらゆることに取り組んでサウンドを磨き上げています。
アナログレコードのシステム作りはスタジオ作りと似ています。音の上流からでは無く下流から攻める。
エレキギターサウンドの8割はアンプの良し悪しで決まるのと良く似た理屈です。
— お店では何を使用していますか?
カートリッジは、Shure44シリーズ、91ED。この2つが私にとっては最高の逸品ですね。
お店ではほとんどのカートリッジにJICOのモデルを取り付けていますが、理由はサウンドが良いから(笑)。
厳密に言えば、オリジナルのShureとJICOは全く同じサウンドと言う訳ではありません。
セッティングによって化けるポイントが違うというだけです。
アナログは何に手を入れてもサウンドが変わるので、時にはセオリーから外れた変化球で攻めることも。
ここでは書けないようなシークレット物もありますが、一日12時間、365日、10年間、故障知らずなので、まず大丈夫です(笑)。
ぜひお店でその音を体感してみてください。
あなたにとってのアナログレコードとは?
【プロフィール】
小川榎也
Smokin’ Fish Guitars 代表/ギタリスト
ニューオリンズ→ロンドン→アムステルダム→沖縄→今は横浜。
ギターの独奏で「どこにも属さない音楽」を作り上げる。現在までアルバム4枚をリリース。内2タイトルはUS発売。
スライドギターの達人、定住先を持てない永遠のマイノリティ。
■Kaya Ogawa
https://www.instagram.com/kayaogawa/
音楽人の楽園「Smokin’ Fish Records」
「健全な精神と身体は食事から作られる」をコンセプトにした音楽処としては珍しいイタリアン・バール。
併設したスタジオにはNeve1073、Neumann M149を筆頭にした一流の機材を取り揃え、ハイクオリティなPV作成も。
〒231-0041
横浜市中区吉田町3-14 新井ビル1F
Tel:045-334-8593
■Instagram
https://instagram.com/smokinfish_records
■レストラン
https://smokinfish.jp/